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制酸薬と食物アレルギー

胃酸の産生を減らすために使われるH2受容体拮抗剤やプロトンポンプ阻害薬などの抗潰瘍薬が胃内消化を遅らせ、食物過敏症やアレルギーの増加につながる場合があるということが、2005年にオーストラリアでUntersmayrらによって行われた研究により明らかとなりました。この調査に参加した152人の患者(平均年齢65.9歳)の血液サンプルを、抗潰瘍薬を用いた3か月間の治療の前後に採取し、19の食物に対する食物特異的IgEレベルの増加を免疫ブロット法で量的に分析しました。

3か月間の抗潰瘍薬使用後、25%の患者の血液に食物特異的IgEの増加が見られました。そのうち、もともと食物特異的IgEが存在していたのは10%、新しくIgEの産生が見られたのは15%でした。年齢が対応する50人の健常対照群のIgEレベルは変化しなかったことから、季節的な効果の可能性は除外されました。著者らは、3か月間の抗潰瘍薬治療によって食物抗原に対するIgE反応が増加する相対リスクは10.5%であると結論付けました。

一方で、ホルモン受容体陽性の腫瘍(例えば胸部、卵巣、子宮、頸部、前立腺のエストロゲン受容体陽性の腫瘍)は、対抗するエストロゲンが増殖の進行中に存在するか否かに依存します。

抗潰瘍薬投与開始から3か月後には25%であったのに対し、抗潰瘍薬投与の中止から5か月後の時点では、上昇した食物特異的IgE値の持続が6%の患者に見られました。
抗潰瘍薬投与の中止から8か月後、上昇したST2(Th2リンパ球活動のマーカー、アレルギー性炎症の調節因子)の値と平行して、長期の感作がまだある程度観察されました。

一般的な市販薬である制酸薬は、胸焼けや消化不良など自己診断による症状の多くに使われています。これらの薬は胃酸の量を減らすため、長期的な服用は胃内消化の低下を引き起こし、アレルギーを起こす潜在力を保持した食品タンパク質をもたらす可能性があります。

完全な研究報告はhttp://www.fasebj.org/で入手できます。
Untersmayr, E., Bakos, N., Scholl, I., et al. (2005).
Anti-ulcer drugs promote IgE formation toward dietary antigens in adult patients.
The FASEB Journal, 19, 656-658.

US BioTekの食物特異的IgE抗体検査パネルには、血清による検体を用います。