アレルギーの知識

アレルギーとは

アレルギー(Allergy)とは免疫反応が特定の抗原に対して過剰に起こることです。免疫反応は、外来の異物(抗原)を排除するために働く、生体にとって不可欠な生理機能です。

我々の免疫システムは、我々の新陳代謝に対し危険、あるいは、かく乱作用の可能性があると見られるアレルギー抗原のひとつひとつに対し、免疫グロブリン(抗体)を作り出します。これらの抗体は、防衛措置の一環として著しい炎症プロセスを介在します。アレルギー症状は、これらの抗体によって引き起こされたプロセスの直接的結果と言えます。

牛乳、卵、小麦、トウモロコシ、大豆、果物、蕎麦、ピーナッツ等、一般的な食物に対するアレルギー反応は、ウイルス感染や反復性の風邪と間違えられることがあります。多くのよく知られるアレルギー症状(疲労、頭痛、不安、鼻水や鼻の痒み、目の腫れ)と、その原因となるアレルゲンとの関係に何年もの間気づかないこともあります。ストレスの増加、反復性の感染、健康の衰えによって、慢性アレルギーが更にひどくなることもあります。原因となるアレルゲンを見つけ出し、食生活から取り除くことをしなければ、年月を経ることによって、関節炎、胃腸病、自己免疫疾患、湿疹、片頭痛等といった、食物アレルギーに関連する深刻な症状が、慢性化する恐れがあります。

アレルギー発生の原因

偏った食生活や不適切な食生活、ストレス、遺伝性素因、感染と炎症、化学物質、薬物、環境汚染物質と毒素等は、すべてアレルギー発生の要因となる可能性があります。

こうした発生要因が消化や消化管および肺の防衛機能を弱めることにより、アレルゲンが免疫システムを攻撃しやすくなっているという研究結果があります。

これをわかりやすく視覚化した日本のドクター吹角隆之先生の風呂桶モデルでは、食物を含む8つの誘発要因が風呂桶、つまり、その人の体のキャパシティを超えてあふれ出した時にアレルギーが発生することが簡潔に表現されています。つまり、その要因を少しずつ除いていけば、アレルギー発生を回避出来る、あるいは、アレルギー症状を低減出来る可能性があります。また、化学物質や重金属は多くの現代病の原因となっていることが指摘されているため、こうした物質を避けた生活を送ることは全体的な健康づくりに役立つと言えます。

ふくずみアレルギー科 吹角隆之先生の論文
「皮膚科領域におけるアレルギーと環境因子-化学物質過敏症への環境医学的アプローチとその皮膚症状について-」より

食物アレルギーのメカニズム

食物アレルギーは体内で様々な障害の原因となることが知られています。これらの障害はさまざまなメカニズムから発生します。例えば、乳製品を消化できない人がいることをおそらくご存知だと思いますが、この状態のことを「乳糖不耐症」と言い、これはラクターゼという酵素の不足もしくは欠如が原因で発症するものです。他の食物、例えば、チョコレートは気分を変化させる可能性のある化学物質が含まれています。チョコレート中毒(チョコホリックス)という言葉をお聞きになったことがあり、あなたもその一人かも知れませんが、これは食物アレルギーではありません。食物アレルギーとは、食物が誘発する障害であり、免疫と直接的に関係するものだけを指します。

奇跡的で複雑な機能である免疫システムについて簡単にお話しましょう。初めに、自分の免疫のことを外部の侵入者から守ってくれる見張り番だとイメージしてください。アレルギーの場合、外部の侵入者のことをアレルゲンといいます。これは、アレルギー反応を誘発し、免疫反応を過剰にすることからそう呼ばれています。見張り番は、抗体を含むいくつかの攻撃方法を持っています。抗体には、毒物を中和し、アレルゲンの排除のための反応を起こす機能があります。あなたが経験する症状は、身体の中でそうした反応が起きていることをあなたの身体が伝えようとしているのです。

即時型アレルギー発生のプロセス

アレルゲンが体内に入る

抗体が作られて粘膜や皮膚の中にあるマスト細胞に付着

もう一度アレルゲンが体内に入る

侵入したアレルゲンが抗体にくっつく

マスト細胞が活性化され、ヒスタミンなどを放出

くしゃみ、鼻水などの症状がでる

抗体の種類

私たちの身体には、IgE、IgG、IgA、IgM、IgDという5種類の抗体が存在します。抗体とは、侵入してきた病原体にくっついて、これを無力化するように働く免疫物質。タンパク質でできており、免疫グロブリンとも呼ばれます。

最も食物アレルギーと関係する抗体はIgEとIgGの2つです。

IgEは、免疫システムの細胞、特に肥満細胞と好塩基球を結合する抗体であり、結果的にヒスタミン放出の原因となります。そして、ヒスタミンは毛細血管拡張と平滑筋収縮を起こして、最終的にその人固有の症状となって現れます。IgEは即時型の反応であり、鼻水や、息苦しさ、じんましん等の症状がすぐに現れます。

一方、IgGは遅延型の反応です。症状が発現するまでに長い期間を要することもあるため、遅延型反応と呼ばれます。更に、IgGはアレルゲンと直接結合することが出来ます。こうして出来た抗原抗体複合体は、時間をかけて体内を循環した後、体組織に沈着し、膝関節痛等の多種多様な症状を誘発します。

数年前からはIgA抗体も検査出来るようになりました。IgAも遅延型の反応を引き起こすと考えられています。

IgE

IgE

IgE反応は、食物または吸入によるアレルゲンへの暴露の直後に起こります。

通常、アレルゲンへの暴露から15分以内に初期相反応が現れます。その後、後期相反応が4〜6時間後に現れ、浮腫や炎症が何日にもわたって続くことがあります。

IgG

IgG

IgG抗体は、血液中で最も多くみられる抗体です。

炎症のプロセスは数時間から数日間と緩やかであるため、このタイプの反応は「遅延型」「遅発型」などと呼ばれます。

原因食物が分かりにくく、様々な症状を引き起こします。

IgA

IgA

IgA抗体は粘膜に多く存在する抗体ですが血液中にも存在します。IgG抗体と同様、この抗体も遅延型の反応を示すと考えられています。

食物アレルギーの今

大半の人と医師の多くが、いまだに体調不良や健康の衰えが食物に起因していると考えていないことは大きな懸念事項です。病気の原因を知らない限り、身体の苦しみは続きます。

食物アレルギーの発生率は広く争点となっています。10年程前、アメリカの人口の10%は免疫変調の食物過敏の影響を受けていると推定されていました。

一方、日本では10年前から3人に1人が何らかのアレルギーを持つと言われていましたが、現在では2人に1人とされ、急激な増加傾向にあります。

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